力匠部屋
犯人の家へ突入!?
- [2013/06/06]
- あたいたちは犯人の家の玄関前で息を殺しながら様子をうかがった。
《突入するか》
ウェンディが尻尾を一直線に立たせ、凄みをきかせながら言った。
《OK! 突入したら、おいらが犯人に体当たりする》
ゴンがウェンディの意見に同調した。
ウェンディが続きの作戦を練って言う。
《おれは犯人が倒れたとこへ首に噛み付く》
ニヤニヤしているゴンが、あたいに命令してきた。
《トドメは、ノンちゃんがおいらに浴びせたような必殺技をお見舞いしてやれ》
《えっ、なにをすればいいの?》
あたいはウェンディ君に気付かれるのがイヤで、ごまかした。
《とぼけやがって》
再びゴンがニヤニヤしながらあたいを見て続ける。
《ノンちゃん御得意の急所を蹴りあげるんだよ》
一瞬ウェンディ君の顔色が曇ったのをあたいは見逃さなかった。
彼はあたいを訝しげに見ている。
《あたい、そんなのできない》
すかさずあたいは顔の前で手を激しく横に振って否定しつつ、そ知らぬ振りを通した。途端にあたいは恥ずかしくなって手で顔を覆い、肉球と肉球の間からウェンディ君の顔色をうかがっていた。あくまで乙女の姿を貫き通さなければならない。こんなへたくそな演技は兄貴譲りなのかも。
《ゴンはインターホンを鳴らしてくれ。それから3つ数えたら突入するぞ》
気合いの入ったウェンディが、あたいとゴンに激を飛ばした。
《よし行くぞ!》
ゴンがインターホンに背伸びした。同時にあたいたちの緊張感も一気に高まった。《3・2・1》
あたいたちの掛け声が合わさる。
チャイムが鳴ったその時、インターホンを押したゴンの肉球と誰かの指が重なった。
【続く】
名前:T.Y
【趣味】競馬、野球、B級グルメ店開拓
【好きな馬】ジェニュイン(待受画面にしてます)
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【好きなロッカー】浜田省吾
【好きな歌】浜省の「I am a father」(私自身父親ではない)
【マイブーム】ウコンのサプリメント摂取